LEDサイン|LEDサインと消えゆく従来の光源
多くのメリットからあらゆる光源の中で主力となったLEDは、今ではサイン業界の常識と言っても過言ではありません。
すでに製造・販売が禁止となった水銀灯に続き白熱球や蛍光灯にもまた、国際的な地球温暖化や環境問題への配慮から終焉の足音が聞こえています。
LEDと光源の歴史
火から電気へ
19世紀後半、かのトーマス・エジソンが京都産の竹をフィラメントとして使用したのは有名な話ですが、当時白熱電球が記録した1,200時間という連続点灯時間は、人類が使用する明かりが「火」から「電気」へと大きな変革を遂げる第一歩となりました。
明かりは蝋燭から白熱電球へ、続いて20世紀に入り発明された蛍光灯、そして20世紀後半に発明されたのが「第4世代の明かり」と呼ばれるLEDです。
LEDの登場
19世紀半ばに初めて登場したLEDですが、当時は赤く発光するものの実用的なものではありませんでした。
その後も橙や黄緑が加わり、やがて青色LEDが発明されたことによって光の3原色が揃い、自然に照らす実用的な白色のLEDが広く普及するに至っています。
ちなみにLED実用化のきっかけとも言える青色発光ダイオードは3人の日本人研究者によって開発され、その功績から2014年にノーベル物理学賞を受賞しました。
LEDサインのメリット

長寿命
ご存知のとおりLEDの寿命は約40,000時間とされており、店舗で1日10時間の使用であれば3,650日、年中無休で営業したとしても10年以上は使える計算になります。
同条件で白熱球なら1年以内、蛍光灯では3年程度で交換が必要であった時代に比べれば、LEDがもたらしたメリットは計り知れません。
省電力消費
光源を発光させる消費電力はW(ワット)で表すことができますが、LEDは蛍光灯と比較して半分以下のW数で使用することができます。
わずか数年でリニューアルを繰り返す店舗も多くありますが、長期間に渡ってメンテナンス工事が不要な点もランニングコストの削減に大きく貢献します。
安全性
LEDは発光する半導体をシリコン樹脂などでコーティングした構造で放熱しやすく、他の光源のように火傷や火災の心配がほとんどありません。
またガラスを使用していない光源のため衝撃に強く、サイン設置に不可欠な運搬や施工時はもちろん、地震などにおいても破損することが少なくなっています。
その他のメリット
LEDの光には人体に影響を及ぼす赤外線や紫外線がほとんど含まれず、その波長は他の光源に比べて虫などが寄りつきにくいとされています。
消えゆく従来の光源
サイン業界でもかつては一般的に使用されていた光源も、LEDの登場と環境への配慮から徐々に姿を消してゆく傾向にあります。
白熱電球(〜2030年?)
内部に発光する中空のフィラメントが設置された白熱球の寿命は1000〜2000時間とLEDとは比べものにならないほど短く、これが寿命で焼き切れるとカラカラ音がするため、かつては手に取り振って音を聞く姿がよく見られました。
消費電力がLEDに比べ何倍も大きいことから、アメリカでは2022年に定められた発光効率の低限基準により生産・販売が事実上禁止され、日本においても2014年に閣議決定された地球温暖化対策の一環として、2030年の100%LED化を目標に掲げています。
マンガの閃きシーンで描かれる電球がまさに白熱球でしたが、製造・販売の禁止に伴いそこにフィラメントが描かれることはなくなってゆくことでしょう。
水銀灯(〜2021年)
天井の高い工場や倉庫において吊り下げ式の照明器具でよく使用されており、球切れの際に長尺の脚立で行う球交換はなかなかに勇気がいる作業でした。
長らく電柱の防犯灯にも使われていましたが、現在はほとんど姿を消し、2013年の国連環境計画会議で採択された条約により、2021年以降は一般照明用の高圧水銀灯の製造及び輸出入は禁止となっています。
蛍光灯(〜2028年)
かつて学校やオフィスでほとんどと言っていいほど使われていたのが蛍光灯で、寿命は6000〜12000時間、硝子管の両端から通電すると内部に塗布した蛍光塗料に反応して発光する仕組みです。
寿命が近づくと徐々に暗くなり、切れると端部が黒く変色するのも特徴で、内部はアルゴンガスと微量の水銀が封入された真空状態のため割れると小さな爆発音がします。
蛍光灯は現在も多くの建物で使用されていますが、昨年こちらも国連会議採択の条約に基づく“水銀を規制する政令改正”が閣議決定され、一般照明用の蛍光灯は2028年1月までに製造・輸出入が禁止されます。
あとがき
今回はLEDや、かつて一世を風靡した光源達の歴史ついてお話ししました。
慣れ親しんだ明かりがなくなってゆくのは少しさみしい気もしますが、サイン業界にはLEDを使ってかつてのサインを再現する技術もあります。
白熱球や蛍光灯の終焉時期を見据え、新たなLEDサインの製作を検討してみてはいかがでしょうか。
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