「サイン」と「看板」|言葉の意味と役割
様々な種類とデザインを持つサインは街中や建物内などあらゆる生活シーンに深く浸透し、その多くはもはや言葉を越えた表現力で人々が行動する上での拠り所になっていると言っても過言ではありません。
「サイン」という言葉の意味は幅広く、業界では広告など情報伝達に特化した意味合いで使われ、「看板」もまたサインの大きな括りに含まれることもありますが、長い歴史の中で人々の暮らしに根付いた独自のイメージを保つ言葉です。
「サイン」の意味と役割
サイン(sign)という言葉には多くの意味があり、野球などの対戦型スポーツにおいて作戦を伝達する合図、兆候を示す事象、書類などに記入する直筆の署名など、古くから国内において広く認知されている言葉です。
一方こちらも長らく建設やマーケティング業界で「目印」や「標識」といった意味で使用されてきたサインには、大きく分けて2種類の役割があります。
広告塔としてのサイン

サインには企業やブランドを広く世に知らしめるシンボルとなり、販売促進を目的として建物の内外に設置される広告塔としての役割があります。
「広告」という言葉は「広く世の中に告知する」意味を持つ宣伝活動の一部と定義することができますが、同じく情報を広く伝える道路標識などはその言葉のイメージに合いません。
道標となるサイン
公共施設の名前や道路標識、案内表示などは初めて訪れる場所でも安心して行動するための情報を提供する目的で設置されるサインで、街中の道路やあらゆる建物内外でその役割を担っています。
広告塔としてのサインも道標としてのサインも国際的な目線でみれば同じ「サイン」ですが、中には「看板」という言葉のほうがイメージによりマッチするシチュエーションも存在します。
「サイン」と「看板」は同じもの?
サインと看板はサイン業界内の目的と役割において同じものと括ることもできますが、業界を含め世間の人々が連想する言葉のイメージ上ではまだまだ差異が存在します。
看板の歴史
看板という言葉は、古くは芸能の人気役者を指す「大看板」や落語などで登場する「看板娘」などから、町人文化華やかなりし江戸時代には寄席などの娯楽を通じ世の中に広く周知されていった言葉であると想像できます。
近代から現代にかけても飲食店の閉店時間を「看板」と言ってみたり、プロ意識を比喩する「看板が泣く」など看板を使った言葉は多く見られ、現在でも「看板商品」や「看板メニュー」などイメージがそのまま伝わる言葉はたくさんあります。
長い時間をかけて浸透した「看板」という言葉は「サイン」と混同されることはなく、独自のニュアンスを保ち続けると考察することもできます。
形状による定義
広い意味ではサインと同義とも言える看板ではありますが、「サイン」と「看板」を区別するとすれば最も定義しやすいのはその形状でしょうか。
看板は英語圏ではサインボード(sign board)、大型になるとビルボード(bill boaed)と呼ばれ、日本と同じく板(board)を冠した呼び名であるのは面白いところです。
日本においてその形状があくまでも平面的な板状で、人の目にとまりやすく認知しやすいある程度の大きさがあればそれは看板と呼ぶにふさわしいものと言えます。
言葉のイメージ
「言葉」の上で微妙なニュアンスの違いが存在するサインと看板ですが、日常生活の会話においては相手とイメージを共有しやすい言葉をチョイスすることで、手短に情報を伝達することができます。
例えば道順を伝える場合「大きな〇〇の看板がある交差点を右へ」といった説明は日常的に使われており、お城や神社仏閣など歴史的建造物の由緒書きの看板をサインと呼ぶ日本人はいないでしょう。
グローバル化が進み、いつしか長い歴史の中で根付いた「看板」という言葉とイメージが「サイン」で統合される日が来るとしても、まだ近くはない未来のような気がします。
看板スタイルのLEDサイン
近年は薄く四角い樹脂板全体をLEDで発光させる導光板を使用した、看板スタイルの薄型LEDサインが急速に普及しています。
サインに求められる役割全てに対応できるため、大型商業施設をはじめ空港や駅など公共施設の案内板などでも広く設置されています。

導光板サイン
導光板は高性能レーザーを駆使して特殊な加工を施した厚みが1センチにも満たない樹脂板の側面から、高輝度LEDの光を照射し板面全体をを発光させる光源システムです。
片面・両面発光で小さなサイズから比較的大きなパネルサイズまで対応でき、シートや導光板に合わせたオーダー金物を使い様々なサインの製作が可能です。
また屋内だけでなく屋外用としても使用でき、設置場所や表示する内容に応じて壁付けや吊り下げなど多くのロケーションでご使用いただけます。
まとめ
今回はサインや看板といった言葉の意味や役割についてお話ししました。
時代と共に進化を続けるサイン業界がプロデュースするサインは、シンプルなものから煌びやかなものまで実に多彩です。
数あるサインや看板で迷うことがあれば、まずはどのような場所でどのような効果が必要かを伝え、プロの提案から具体的な検討を始めてみるのも良いかも知れません。
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