LEDチャンネル文字サイン|箱文字・ピット文字
薄い金属を加工して箱状に組まれた立体文字はチャンネル文字と呼ばれ、LEDを内蔵し発光するLEDチャンネル文字サインは、ブランドの象徴として最もオーソドックスサインです。
チャンネル文字には箱文字・ピット文字など同じ意味合いで使われる呼び方もあり、地域や点在する多くの製作会社、チームによってその呼び方や括りも多岐にわたります。
LEDチャンネル文字
チャンネル文字は薄い金属を半田付けや溶接により箱型に組み上げた、内部が空洞で厚みのある立体文字サインの呼び名です。
箱の形状をした立体文字はLEDが登場する前から外照式・内照式を問わず存在しており、LEDの普及と共に広く知られるようになったのがLEDチャンネル文字です。

チャンネルの由来
チャンネル(channel)は「海溝や水路、運河」など水の流れから派生した「経路、溝」といった意味合いから、国内ではテレビやラジオで使用する周波数帯を表す名称として広く認知されました。
現在ではビジネスや工学など様々な分野に広く普及し、サイン業界では立体的な箱状の文字サインの内部空間を“溝”と捉えた「チャンネル文字」と呼ばれています。
LEDの普及
省電力・省スペースのメリットに加えて発熱量が低い安全性などからLEDは瞬く間に世界中に広まり、サイン業界においてもすでに主流の光源となっています。
従来の光源の製造や販売において規制がかかる中、当面は発光するサインの光源が「第4世代の明かり」と呼ばれるLEDの独壇場となるのはほぼ間違いありません。
LEDチャンネル文字の発光面
LEDチャンネル文字の発光面は正面発光と裏面発光の2種類があり、側面の素材や仕上げ、発光色や色温度を変えることで多彩なバリエーションを演出することができます。
正面発光(チャンネルフレーム付き)
発光面となるLEDの光を透過する正面の乳半アクリルを、ベースとなるチャンネル文字と同形のチャンネルフレームで挟み込んで設置するサインです。
コの字断面のフレームを弁当箱のように重ね合わせるその製法から、高い強度を誇り大型文字サインの製作にも適しています。
正面発光(チャンネルフレームレス)
チャンネルフレーム付きに比べると製作できる文字の大きさが制限されますが、発光面の拡散樹脂自体を箱体の一面とする技術により、金属の押え縁がなく文字の正面全体を発光させより美しくアピールすることができます。
裏面発光(バックチャンネル)

取り付ける壁に向かって光が照射するようにLEDを仕込んだベースをスペーサーで浮かせて設置し、続いて正面と側面を仕上げたチャンネル文字を被せて設置するサインです。
浮かせた立体文字が背面の壁を照らすことで文字が浮かび上がるような効果を生むサインで、こちらも強度が高く大型サインにも対応可能です。
箱状金属立体文字の呼び方
構造や用途的にチャンネル文字と同じでありながら、呼び方が異なる立体文字もあります。
箱文字
箱文字はチャンネル文字と同じ意味合いで用いられることが多く、高層ビルの外壁や屋上の塔屋など屋外に設置されるイメージが強い立体文字の呼び方で、大型で発光しない箱文字サインは昼間でも企業や建物などの看板として強い存在感を放ちます。
正面・側面・背面の金属板があれば製作できる箱文字は、大きさの割には軽く比較的安価なサインですが、素材にステンレスや真鍮・銅などを用いて様々な仕上げを施すことにより、高い耐久性と高級感を生み出すこともできます。
ピット文字
ピット文字もまたチャンネル文字や箱文字と同じく、薄い鋼板から曲げ加工で製作される厚みのある立体文字の呼び名として知られています。
ピット(pit)は「穴やくぼみ、坑道」を意味する言葉で、建築においては鉄筋コンクリート造のビルやマンションの地下に設けるメンテナンススペースを「地下ピット」などと呼びます。
サイン看板業界で一世を風靡したネオンサインが普及した頃、剥き出しのネオン管の保護や光の演出を目的としてブリキ(亜鉛鉄板)などを凹断面の文字型に立体加工したものがベースとして使われていました。
チャンネル文字という言葉が広く知れ渡る以前、内照用の文字溝を“ピット”で表現したものがピット文字で、現代にも立体文字の意味合いで引き継がれているものと認識しています。
焼き付け塗装鋼板が一般的になる前は文字型に加工したピット文字を手塗りで仕上げ、経年劣化した際の塗装メンテナンスも看板屋さんの仕事であったと聞いたことがあります。
まとめ
チャンネル文字をはじめとする立体文字サインにはいくつかの呼び方があり、LEDを光源として発光する金属製の箱型文字は「LEDチャンネル文字」と呼ばれています。
人気のLEDサインにはより繊細な加工が可能な樹脂文字サインなどもあり、よりディテールにこだわった発光する立体文字サインを製作することができます。

樹脂サインは金属では困難な表現ができる反面、無垢材から削り出すため大型サインには適しておらず、大きくなるほどコスト面では金属サインに軍配が上がります。
時代と共に進化する様々なサインの特性やメリットをお伝えすることで、理想のサイン作りの役に立てれば幸いです。
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